「新しい。」それが率直な感想だ。僕はIN THE LIFE がB'zの最高傑作であるとずっといってきたが、このアルバムはそれに匹敵するものだと思う。いや、ミュージシャンとしての完成度は格段上をいっているといわざるを得ない。
たしかに、前作LOOSE の出来は素晴らしいものであったが、アルバムとしてはシングルの寄せ集めてきな感じがしてアルバム全体を貫く「色」というものが見当たらない。一曲一曲のベクトルが違う方向を向いている。(そこが「LOOSE」なのであろうが。) かつての IN THE LIFE はそのジャケットと同じ様にセピア色だった。ストリングスを多めに使った楽曲構成と稲葉氏の喉の奥から出るような低くおさえた歌い方がその「色」を醸し出している。
それではSURVIVEの「色」とは何であろうか?一言で何色である、と断言するのは難しい。ただ、華やかな色ではないだろう。どんよりとした暗い色。黒色じゃない。明かりがないという意味の暗さだ。そう歌詞カードの1ページ目のプレゼンテーションホールの待合室の感じがぴったりであろう。これから何かすごいことが始まる、嵐の前の静けさ。
始まり。それには華やかなものもあっていいだろう。しかし決心に満ちた彼らの始まりは夜の闇が迫ってくるように僕らを包み込む。そう、このアルバムは彼らの決心なのだ。
確かにCDをだせば何週間も一位を独走し、ミリオンセールスが確実であった頃とは違う。B'zの時代は終ったという人もいるだろう。しかし、彼らは常に自分の音楽を形成し、流行に流されることなく「新しい」ものを追求している。 “SURVIVE”とはこの業界に「生き残る」というような貧弱な意味ではない。自分の意志が「生き抜く」という確固たる信念だ。